TOP 活動報告 イベント情報 建築会とは 執行役員 理事会 会員情報 リンク

世界遺産国立西洋美術館を巡る旅

今回の旅の参加者は、中川副理事長、執行役員6名と建築会見学会皆勤賞の15期の高野さんを含めた総勢8名。10月21日台風が迫る中、まずは上野にある国立西洋美術館に向かいました。西洋美術館では、現地からの同行参加者として、2期板谷さんと19期岩井さんも合流し見学を行いました。天気は雨にもかかわらず、会場は企画展「北斎とジャポニスム」の開催日とあり、数多くの方が企画展に向かうのを横目に、私たちは常設展示の方を中心にカメラ片手に撮影しながら、見学を楽しみました。昼食も西洋美術館の中庭に面したレストラン「CAFÈすいれん」にてランチをいただきました。

link西洋美術館での見学の様子

続いて向かったのはカトリック東京カテドラル関口教会。こちらは丹下健三による設計で建物そのものがその頂部において十字架型となるHPシェルを採用したダイナミックな架構の教会です。竣工後53年を経た現在においても、その意匠は色あせることなく、何とも言えない深みを持った建物でした。むき出しのコンクリートによるモノトーンの中で、祭壇奥でのスライスした大理石の黄金色に輝くステンドグラスは一層荘厳な雰囲気を演出していました。

linkステンレススパンドレルの外装がとHPシェルの曲線が美しい東京カテドラル

この日最後に見学に訪れた建物は、岡本太郎氏の自宅兼アトリエを改修した岡本太郎記念館。こちらでは2018年3月に修復が完了する太陽の塔をテーマにした企画展が行われていました。当時のままのアトリエ、太陽の塔の構想に至るデッサンや色鮮やかに再現された大阪万博テーマ館のミニチュアは非常にエネルギッシュでまさに「芸術は爆発だ」の熱気を感じる場所でした。また南洋系の植物であふれる庭にはいくつかの彫刻作品が展示されていましたが、そのたたずまいは水木しげるの描く精霊のようなデザインであり、共通点を感じました。またここでは記念館をミニチュア製作した海洋堂プロデュースのカプセル玩具の「岡本太郎アートピースコレクション」「太陽の塔」にみんなでこぞってチャレンジしました。見事ゲットしたのは橘君。私もお土産として購入。結果は「若い太陽の塔」で気に入っております。

link太陽の塔がバルコニーからお出迎え 青山にある岡本太郎記念館
link岡本太郎氏が使用していた当時のままのアトリエと数々の作品が展示されたリビング
link左/庭に展示されている動物のオブジェ 右/お土産の「コップのふちの太陽の塔」と「若い太陽の塔」

夜は、在京の建築会の皆さんと懇親会を行いました。上は2期生から下は44期生まで総勢22名が参加されました。ほとんどが始めてお会いする方も多かったのですが、高専の思い出話に始まり、仕事のアドバイスやはたまた人生相談、いろいろな話ができました。話がそれぞれで盛り上がり、終電の時間まで宴会続きました。いろんな世代の方が一つにまとまって、いろいろな話ができる。これは建築会の最大の魅力かと思います。楽しい宴はあっという間に終わりました。

link中川副理事長による挨拶 link1日目の旅程に参加いただいた2期板谷さんによる乾杯
link鍋を囲んで色々な世代の人間が垣根なしで語り合えるのは建築会の魅力です
linkみんなで記念撮影!

二日目は台風の影響でより強くなった雨の中、国会議事堂衆議院議場に訪れました。通常は各議席に氏名標といわれる議員の氏名が書かれた黒い四角柱が備え付けてあるのですが、この日はちょうど第48回衆議院選挙の投票日であるため、すべて取り外されていました。議場はテレビの中継などでおなじみの場所ではあるのですが、ステンドグラスや壁紙や細部にわたるディテールを間近に見ることで非常に質の高い建築であることがよくわかります。撮影が規制されていたので写真を撮ることはできませんでしたが、このほかにも天皇陛下が国会に来られた際にお待ちになる御休所や4階分(32m)が吹き抜けとなっている中央広間などを見学しました。

link国会議事堂と衆議院議場。テレビでよく見る風景も間近で見て初めて目にする発見がたくさんありました。

次に訪れたのは伊藤忠太設計の古代インド様式を模した独特な意匠の築地本願寺。こちらではちょうど仏式の結婚式が執り行われていました。パイプオルガンの演奏も聞くことができ、貴重な時間を体験することができました。昼食は築地市場の方へ。おいしい海鮮丼をいただきました。

電車を乗り継ぎ次に向かったのが昨年11月にオープンした妹島和世設計のすみだ北斎美術館。空や景色に溶け込むような淡い鏡面のアルミパネルの外装、マッシブな形状に切り込みのスリットに沿って設けられた開口、高い施工技術を持って始めて実現するであろう斬新なデザインの建築は、その空間もさることながら、各所のディテールの納まり、葛飾北斎の展示含めて見どころ沢山な建築でした。

link独特な意匠が特徴の築地本願寺。
link築地といえば築地市場。おいしい海鮮丼をいただきました。
linkすみだ北斎美術館

旅の最後は東京大学を見学しました。こちらでは現在東京大学大学院に在籍している45期生の吉田さんと中安さんに同行をお願いし、案内いただきました。赤門に始まり、安田講堂、安藤忠雄設計の福武ホール、内田祥三設計し香山壽夫が改修を手掛けた工学部1号館、隈研吾設計のダイワユビキタス学術研究館等を見学しました。二人の丁寧な説明の案内のおかげでなかなか一般では見れないような場所に案内いただき、そこにまつわるエピソードや裏話が聞け、いろいろな発見、知識を深めることができました。

link在学生による案内はとても分かりやすく、様々なエピソードが聞けました

今回の旅は終始残念なお天気で、新幹線で新大阪までは無事に到着するも台風の影響で在来線が全線ストップしてしまったため、帰宅には最後の最後で一苦労しましたが、今回の旅は色々な場所で活躍されている建築会会員の皆さんと沢山交流し、つながりを強化できた事が一番の収穫でした。今後も旅先それぞれで活躍する会員との交流を行い、それを報告してくことで、建築会の輪をより一層深めていきたいと思います。ぜひここに遊びにおいでとお声がけいただける会員の方、おられましたらぜひご連絡ください。

今回、旅のコーディネートに尽力いただいた44期 橘一仁執行役員、懇親会を調整いただいた44期森井さん、旅に同行いただいた2期板谷さん、19期岩井理事、東京大学を案内してくれた45期吉田さん、中安さん、懇親会に参加いただいた会員の皆様にはこの場をお借りして、お礼申し上げます。ありがとうございました。

(大久保 武志/28期)